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"DC-PHOTO" magazine, June 2007 ,Hong Kong

《DC Photo》は日本のカメラマン池谷友秀氏(Tomohide Ikeya)を皆様にご紹介するのは、香港のカメラファンは人物撮影が好きだということ、そして池谷友秀氏がこの分野では経験と作品が豊富で、池谷氏はよく人物撮影をしており、そのうち広告の人物撮影が多い、そこで撮影のテクニックと経歴を我々に披露してもらいたいのが理由の1つ。またもちろん、彼の作品は我々にとってエキサイティングというのも理由の1つだ!

生活からインスピレーションを
池谷友秀

●ダイビングから偶然撮影に
池谷友秀の撮影経験が豊富だと言っても、ほかのカメラマンのように小さい頃から撮影に親しんでいたわけではなく、それどころか高校を卒業してからはじめて撮影を開始している。
 池谷友秀は、高校卒業したての頃はまだ撮影をしていなかった、というのも当時ダイビングという別の趣味があったからと回顧しているが、そのダイビングをしていたからこそ撮影を開始したのだ。この趣味を通じてダイビングが好きなカメラマンと知り合い、そのうちに撮影を意識することが増え、そのうちに撮影に深い興味を抱くようになった。もし撮影への興味が池谷友秀と多くの人との共通点だとしたら、異なる点は、彼が比較的遅くから興味を持ったこと、その後撮影のカリキュラムを学ぼうと決心し、専門的にこの分野に向かって成長を続けたことであり、さらにその前には池谷友秀はイタリア料理店でコックをしていた。こんな経験をしているカメラマンは絶対に少ないだろう。
 学ぶ中で、池谷友秀はいろいろなカメラマンから学ぶことを好み、彼はその中から2人のイギリスの人物カメラマンから最も影響を受けたとしてRANKINとNICKKNIGHTという2人のカメラマンの名前を挙げている。彼らからどのように自分を表現するか、一枚の写真をいかに表現するかを学び取り、真の撮影はこのときから始まった。
 ●ライトは主役ではない
 撮影学校を卒業後、池谷友秀は当然のごとくこの道を進み、プロカメラマンの助手になったが、たった2年間で助手のキャリアを終え、正式に独立して仕事を始めた。もし一般のカメラマン助手だったら少なくとも3,4年、あるいは6,7年かかってやっと独立するところだ。
 池谷友秀は2000年から撮影を開始し、今日に至るまでたった7年間、また助手期間は2年間だけだが、彼の作品からは実際の経験が7年間よりもっと豊富であったことがみてとれる。
 彼はまた特に人物の撮影に力を入れており、人物撮影とライト使用のテクニックについて尋ねたとき、彼は特別なテクニックというものはない、ただ覚えておかないといけないのは、一枚の人物写真を撮るというのは、人が主役であってライトが主役ではない、一部のカメラマンがライトの使用に十分注意を払うことについては、彼自身はそれが最重要ではなく、テーマのニーズを理解してぴったりの位置を探し出せば十分だと認識していると語った。
 

●いい題材は生活からインスピレーションを
 話が撮影の技術となると、題材の選択は大きなテーマとなるが、池谷友秀について言えば、これは特に大問題というわけではない。というのも彼は四六時中題材を探し求めているからで、彼は「普通の生活の中で、毎日題材があるはず、すべてに気をとめていれば、あらゆる事について興味がわいてくるわけで、最高の題材は生活から探し出せる」と語る。池谷友秀はこのようにリラックスした人物なのである。
 彼は早くから水を題材にした撮影を行っており、この期間に彼はまた多くの水と関連する作品、あるいはほかの題材に水の要素を加えた作品を撮っている。ただ彼は水の題材は本当に難しいという。一回プールの中で潜水撮影をしたことがあるが、撮影時になってやっと周囲そこら中にゴミが漂っていることに気づき、できあがりは思った通りには行かなかったので、仕方なく撮影後に修正を行ったが、幸い最後の感覚はそんなにひどいものではなかったという。
 もう一つ困難だったのは波の効果を撮影するときで、波の動きをきれいに撮影するために、超高速のシャッターを使い、かつ閃光速度の早いストロボを組み合わせて撮影する。最初は効果を表現できるかどうかいくらかやきもきしたが、思いがけないことに、効果は予想以上で、波の幅も想像以上に大きかったという。
 池谷友秀はまたもう一枚別の水に関する作品を紹介してくれた。ただこの一枚は前の一枚ほど水との関わりが明らかではない。この作品は口に塗られた口紅がしっとり濡れている感覚を撮影するために、撮影の際には唇の上から一滴のしずくが流れる効果を撮影したかった。しかしタイミングを捉えるのが難しく、しずくが最も適当な位置に流れるときにシャッターを切るのは非常に難しく、すべての作業はレンズに覗きながら、カメラも見るという、2つの動作は同時進行と準備が必要だった。というのもベストタイミングはまさに一瞬で、一気に終わらせないと意味がないからである。
 以上紹介した2作品に1つの共通点があるのにお気づきだろうか、これらはすべて1takeで完成しているのだ。池谷友秀は、本当に一回の撮影で終了できない写真でない限り、合成制作を選択することもあり得ない、さもなくば写真は1takeで完成させたい、この意気込みで、彼は方法を考え尽くして進めてきた。
 
●いい写真はカメラマンによるものではない
 一枚の写真が完成したとき、池谷友秀が写真に肯定的な評価を与えるのはきわめて少ない。一枚の写真あるいは作品の善し悪しを最後に決めるのはカメラマンではなく、鑑賞する人であり、彼らが決めるべきだと認識している。もし写真に一定の原則があるとしたら、表現したいものを表現しきったら、それはすでにいい写真なのだ。
 このように、池谷友秀はテーマを決める際もことのほか注意深く、1人で決めることはまれである。彼は相談が必要だと考えており、特にスタッフと話し合った後に決定する。というのもこれは1人の仕事ではなく、みんなで力を合わせた成果だからだ。それぞれの意見を聞きながら決定していくと、方向が徐々に見えてくるのだ。
 

●編集後記
 池谷友秀の取材はとてもスムーズに進んだ。彼は協力的で、非常に気持ちのいい人だった。普段はまだ言及しないことでも、彼はすでに答えを出す。彼のように気持ちがよい人は、たぶんそのためだろうが、進むのが他の人より速く、そんなに時間をかけない。だから実力のあるカメラマンになったのだろう。取材中、彼は現在計画中の新たなプランについて語り、自らシリーズを分析してみせた。プランの中では撮影対象それぞれに、自分の手で顔に絵の具か絵を描いてもらい、それによって自分の考えを十分に表現してもらうことを要求している。これは面白い仕事で、プランはすでに着手されている。現時点では40人ほどを撮影したが、池谷友秀は100人ほど撮影したいと考えており、まだまだ目標に達していないため前進するのみだ!
 
池谷友秀プロフィール
 池谷友秀(Tomohide Ikeya)は日本で生まれ、高校卒業後イタリア料理店でコックをし、時間があるときはダイビングを楽しんでいたが、そのダイビングをしているときに何名かのカメラマンと知り合い、撮影に興味を持ち始めた。続いて撮影のカリキュラムを学ぶことを決意、卒業後はたった2年のカメラマン助手期間を経て独立して仕事を開始した。彼の撮影の歩みは2000年からスタートし、今日に至る。以下のURLにアクセスすれば、さらに多くの作品を鑑賞できる。
http://tomohide-ikeya.com